IoTデバイスのライフサイクル:開発して終わり…ではない!次は管理とアップデート

著者:Hima Mukkamala

※本稿はこの英文記事の抄訳です

前回の投稿では、さまざまな通信プロトコルを用いるIoTアプリケーションを簡単に開発する上で、IoT向けに標準化されたリアルタイムOSプラットフォーム(Mbed OS)が果たす役割についてお話しました。それにより、IoTアプリケーション構築に必要な機能を開発者があちこちから手作業でかき集める必要が無くなります。

ただ、これでIoTソリューションの開発における課題のすべてが解決するわけではありません。次の大きな問題は、「どのようにして、IoTデバイスを頻繁に、そしてセキュアにアップデートするか」です。有効な信頼の起点(root of trust)や鍵を活用し、導入済みのIoTアプリケーションを企業の担当者が管理できるようにしなければなりません。もちろん、デバイスが何万台、何億台という規模に達しても対応できるような、拡張性を備えたソリューションが求められます。

現在、ヘルスケアやユーティリティ(電力・ガス・水道)、輸送・物流、コネクテッドビルディングなど、さまざまな産業領域でIoTの高度なアプリケーションが増えています。企業にとってIoTデバイスのフィールド導入には、大きな課題が伴います。いまやIoTは、新たなERP(Enterprise Resources Planning)のようなものだと言えるでしょう。技術革新をビジネス上の価値に変換し、ビジネス上の有意義な成果を提供するまでには、いくつも困難があります。たとえば当社Armのお客さまは、以下のような課題に直面しています。

  • デバイスの種類が幅広い:パレットに設置する小さなコネクテッドセンサーから、コネクテッド電球、エッジゲートウェイにいたるまで、さまざまなフォームファクターの端末が混在する

  • デバイスの数が非常に多い:管理する必要のあるデバイスの数、そしてデバイスが収集して分析にまわすデータストリームはいずれも膨大になる

  • デバイスの異種性が高まっている:IoT導入企業が管理しなければならないデバイスメーカーやモジュールメーカー、プロトコルの種類が増えている

  • ネットワークトラフィックの量が多いため、それが比率としてはわずかであっても増大すれば、運用予算に大きな影響が生じる

  • IoTによるビジネス成果は、デバイスから得られるデータ自体に依存するため、デバイスとデータは信頼性が不可欠。それが確保されていなければ、ビジネス成果も無に帰す

これらすべての課題に対処するには、IoTアプリケーション内に混在する異種デバイスのライフサイクルを管理するセキュアなソリューションが必要です。それがあれば、デバイスの運用者はビジネスに集中し、技術的なソリューションの開発やIoTネットワークの運用を心配する必要がありません。

Requirements and challenges in creating and deploying an IoT solution for energy grid applications

電力供給用IoTソリューションの開発と展開におけるニーズ(黄色)と課題(オレンジ)

デバイスライフサイクル管理におけるこれらの課題を解決するため、Mbed Cloudのデバイス管理機能は、以下によって大規模IoTアプリケーションの開発と展開を容易にします。(※2018年8月追記:Mbed Cloudは、2018年8月に発表したArmの新たなIoTプラットフォーム「Arm Pelion IoT Platform」に統合され、「Device Management」と称する機能として継続して提供していきます。)

  • デバイスを各種の通信プロトコルから最適な方式でデバイスを接続し、ネットワーク帯域幅コストの増大を防止

  • デバイスの管理とプロビジョニングに対応し、デバイスの管理だけでなくデータのプッシュにも使用可能な鍵を生成

  • 緊密な統合とデバイス上のセキュアストレージにより、デバイスのファームウェアを遠隔からネットワーク経由でセキュアに更新(FOTA)

  • デバイス側インフラは、メモリ容量が数10KBと制約があるデバイスから、高度なコンピューティング/分析環境を提供するゲートウェイ装置級のデバイスまで、幅広く対応可能

  • AWSやSoftbank Cloudのようなパブリッククラウド・インフラから、規制の厳しい業界における統制されたオンプレミス実装まで、ヘテロジニアスな実装オプション

  • 大量のデバイスを扱う拡張性の高い環境

  • オープンエコシステムのサポート:Mbed OSとの最適な統合だけでなく、AWS FreeRTOSやLinuxなど他のオペレーティングシステムとも協調


今回の投稿をまとめましょう。ArmのIoTデバイスプラットフォームであるMbed(※2018年8月追記:Mbed Arm IoT Device Platformは、2018年8月に発表したArmの新たなIoTプラットフォーム「Arm Pelion IoT Platform」に統合されました)を使用すれば、クラウド型であれオンプレミス実装であれ、チップと企業を結ぶセキュアなソリューションを迅速に高い信頼性で開発し、制御プレーンとデータプレーンの両方を管理することが可能になります。

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