社会実装が進むIoT、セキュリティやデータ活用を議論する開発者イベントが開催――Mbed Connect Japan 2018レポート

アーム株式会社は、2018年12月5日(水)に東京・千代田区のJPタワー ホール&カンファレンスで、IoT開発者向けの年次イベント「Arm Mbed Connect Japan 2018」を開催しました。本稿では当日の様子をお伝えするとともに、講演の資料ダウンロードや録画のオンデマンド再生へのアクセス方法をご案内します。

Mbed Connectとは?

Mbed Connectは、「開発者による、開発者のためのイベント」です。ArmがIoTデバイス向けに提供する組み込みOS/開発環境である 「Mbed」と、IoTのデバイス/コネクティビティ/データを管理するクラウドサービス型IoTプラットフォームの「Pelion IoT Platform」に関する最新の情報とツールに触れる機会とともに、IoT開発全般のトレンドをつかみ、IoT時代のエンジニアとして一歩先を行くための視点が得られる場を提供することを意図し、ArmのIoTエバンジェリスト・チームが企画しています。

2018年はMbed Connectとして第3回目となり、10月の米シリコンバレーを皮切りに、11月に中国・上海で開催し、今回の東京が最後の開催地になりました。

開会のあいさつに立つアーム IoTサービスグループ セールス&事業開発 ディレクター 春田 篤志

Mbed Connect Japan 2018の冒頭では、Armの日本法人で IoTサービスグループのセールス&事業開発 ディレクターを務める春田 篤志が開会のあいさつに立ち、「物理的なデバイスがネットワークに接続される世界において、フィジカルな世界のイベントをデジタル化してデータを有効活用するという利便性だけでなく、現実社会でのプライバシーや、フィジカルな社会インフラでの安全性が非常に重要になってくるのではないでしょうか。この一年のパートナーさまとの活動を通して、IoTが社会システムに実装されてきているのを実感しています。本日のイベントを機に、さらに次のステップへと、皆さまと一緒に進められることを楽しみにしています」と述べました。

>> 開会あいさつの録画をYouTubeで見る

これからのIoTに不可欠なセキュリティ技術

最初の基調講演は、GMOクラウド株式会社 専務取締役グループCTOの唐沢 稔氏による「クラウドとPKI:これからのIoTに不可欠なセキュリティ技術を知る」と題したセッションです。

GMOクラウド株式会社 専務取締役グループCTOの唐沢 稔氏

「IoT端末のセキュリティホールを突かれるリスクは年々高まっており、PKI(公開鍵暗号基盤)という、セキュリティ対策の要を担う技術の理解は必須です。同時に、PKIに関する先進の技術とリソースの向上、組織における包括的なオーナーシップが求められています。そこで本講演では、セキュアなIoTビジネスの発展に役立てていただけるように、IoTセキュリティの要であるPKIのポイントをお伝えします」(同氏)。

同氏はPKIの概念と実用について例を挙げて解説した後、「IoTにおけるPKI三段活用」として“守る”、“使う”、“攻める”というアプローチを紹介しました。

>> GMOクラウド唐沢氏の講演をYouTubeで見る

>>GMOクラウド唐沢氏の講演資料をPDFでダウンロードする

データ x テクノロジーの最新事例を共有

続いてもう1つの基調講演に立ったのは、Armが2018年8月に買収した米Treasure Dataの共同創業者で同社のCTOを務めていた太田 一樹です。太田は現在、ArmのIoTサービスグループでテクノロジー担当バイスプレジデントに就いています。

Arm IoTサービスグループ テクノロジー担当バイスプレジデントの太田 一樹

「データファースト時代の開発者像」と題した講演の中で、太田はTreasure Dataのデータ管理サービスを統合したArmの新しいIoTプラットフォーム「Pelion」について紹介するとともに、テクノロジーを活用してさまざまなデータをつなぎ合わせることでビジネス価値を生み出す事例を共有しました。

さらに、自身の経験を踏まえて、データファースト時代のエンジニアのキャリア戦略について提言しました。

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午後のTechTalkは幅広いトピックをカバー

午前中の基調講演に続いて、午後は技術的により深掘りした講演セッション「TechTalk」が6本、さらに、同時並行で4つの異なるハンズオン型ワークショップが開催されました。

mbed祭り実行委員の勝 純一氏

TechTalkで最初に登壇したのは、Mbed OSのユーザーコミュニティ「mbed祭り」実行委員の勝 純一氏です。同氏は、「mbed祭りコミュニティと私の活動について」と題して講演し、mbed祭りの立ち上げに至った経緯やその歴史、それと共にMbedに関連する自身の活動を紹介しました。

>> 「mbed祭り」実行委員勝氏の講演をYouTubeで見る

続いては、「Mbed OSオフライン開発環境の詳細」として、アームのIoTサービスグループでシニアテクニカルアカウントマネージャを務める渡會 豊政が登壇しました。

アーム株式会社 IoTサービスグループ シニアテクニカルアカウントマネージャの渡會 豊政

「Mbed OSを使用したアプリケーションの開発は、ネットワークとブラウザがあればどこでも利用可能なオンラインIDEが広く使われていますが、Mbed OS 5以降は、オフラインの開発環境のサポートも充実してきています。このセッションでは、Mbed CLIを中心にオフライン開発環境(各種IDEへのエクスポート、ビルド、デバッグ方法)について実際の使用例を交えながら詳しく説明します」。

“中の人”である渡會が、知って得する(?)Mbed開発の技をこれでもかと共有したこのセッション、見逃した方はぜひ下記リンクより動画と資料にアクセスしてご確認ください。

>> アーム渡會の講演をYouTubeで見る

>>アーム渡會の講演資料をPDFでダウンロードする

3つ目のTechTalkセッションは、Seeed株式会社 代表取締役社長の坪井 義浩氏による「Arm Mbedを用いたセルラーIoTの実現」です。

Seeed株式会社 代表取締役社長の坪井 義浩 氏

「IoT向けのセルラーLPWAとして注目されるLTE Cat.MやNB-IoTが日本でも一般に利用できるようになってきました。コネクティビティを実現するにあたって最も便利であろうセルラーの日本における現状や、Mbed OSで手早い実装と展開を行う方法についてお話しします」。

>> Seeed坪井氏の講演をYouTubeで見る

>>Seeed坪井氏の講演資料をPDFでダウンロードする

続いて登壇したのは、京都大学 教授(大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻)の原田 博司氏です。「Mbed OS上で動作するマルチホップ型IoT通信:Wi-SUN FAN」と題して講演し、途中、日新システムズによるデモも披露しました。

京都大学 教授の原田 博司 氏

「Wi-SUNシステムは、マルチホップ(多段中継)可能な通信システムとして、電気メーターを中心にすでに2000万台以上が導入されています。同システムは現在5つの技術仕様からなり、IoTの各種用途に対応可能です。本講演では、本年度より国際的に認証が開始されるスマートシティなどに用いられるWi-SUN FANシステムに関して、その概要、Mbod OS上で動作するWi-SUN FANミドルウエアの概要、特性、およびWi-SUN認証プロファイルに関して解説します」。

※原田氏の講演は録画および資料ダウンロードの提供がございません。あしからずご了承ください。もしご興味がありましたら、アーム株式会社 IoTサービスグループまで、こちらのWebフォーム かメール( iotasia@arm.com )まで、個別にお問い合わせください。

5つ目のTechTalkは、「Mbed OSデバイスからパブリッククラウドへ安全にデータを送ろう」と題したセッションで、アームのIoTサービスグループでアプリケーションエンジニアを務める小泉 修が担当しました。

アーム株式会社 IoTサービスグループ アプリケーションエンジニアの小泉 修

「IoT向けに開発されているMbed OSは、計算資源が限られているIoT端末からもパブリッククラウドのIoTゲートウェイと安全にデータを受け渡しできます。本セッションでは、Mbed TLSとオフィシャルMQTTライブラリを使用して、Mbed OS デバイスから AWS IoT Core、Azure IoT Hub、Google Cloud IoT Coreなどへ安全に接続するプログラム例を紹介します」。

>> アーム小泉の講演の録画をYouTubeで見る

>>アーム小泉の講演資料をPDFでダウンロードする

最後のセッションは、アームの春田 篤志が担当し、「IoTシステムが受ける攻撃の実像と、その脅威への対抗手段」と第して講演しました。

アーム株式会社 IoTサービスグループ セールス&事業開発ディレクターの春田 篤志

「IoTにおけるセキュリティの脅威は、いまここにある危機として事業者や生活者のすぐ側に迫っています。本講演ではその具体例を示すとともに、脅威に対抗する手段について紹介します。具体的には、マイコン向けプロセッサコアCortex-Mの新アーキテクチャであるArmv8-Mで利用可能なセキュリティ技術『TrustZone』や、ArmがIoTデバイス向けに提供する組み込みOS・開発環境の『Mbed』とIoTプラットフォーム『Pelion』を用いてセキュアなIoTデバイスを開発・導入する方法についてお伝えします」。

>> アーム春田の講演をYouTubeで見る

>>アーム春田の講演資料をPDFでダウンロードする

4つのワークショップでIoT開発を体験

ワークショップは、アームによる「Arm Pelion Device Managementクイックスタート」、トレジャーデータによる「データサイエンス・機械学習入門」、Seeedによる「Arm MbedでセルラーIoTを実装してみよう」、ウフルによる「エッジデバイスのデータをPelion IoTプラットフォーム経由で可視化する」の4つが提供されました。 alt

今回、Mbed Connectに参加くださった皆さまの多くにワークショップに興味を持っていただいた一方、席数に限りがあった上、当日のワークショップ受付の運用で混乱をきたしてしまい、ご迷惑をおかけしました。アンケートでお寄せいただいたご意見・ご要望を拝見し、皆さまにMbedに触れていただける機会を今後より多く提供できるよう、検討してまいります。

用意が整った際にはMbedの日本語公式FacebookページやArm日本法人の公式Twitterをはじめとした、さまざまなチャネルでご案内いたしますので、ぜひ各チャネルをフォローいただければと思います!


お問い合わせ

Arm Pelion IoT Platformについてさらに詳しくは、アーム株式会社 IoTサービスグループまで、こちらのWebフォーム かメール( ARMKK-Sales@arm.com )にて、日本語でお問い合わせください。


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