ウフル、IoT開発・運用サービス「enebular」とMbedを連携させた小売業界向けソリューションを披露

「IoT/M2M展 春 2018」(2018年5月9~11日、東京ビッグサイト)のArmパビリオンの展示エリア(レポート記事はこちら )には、MbedパートナーであるウフルサイバートラストGMOクラウドSELTECH東芝デジタルソリューションズ の5社が参画し、それぞれIoTアプリケーションのデモや製品・サービスを披露しました。

本稿では、その中でウフルの展示について詳しく紹介します。

店舗運営と顧客体験の両方を向上させるソリューション

今回ウフルが展示したのは、同社が提供するIoT開発・運用サービス「enebular(エネブラー)」を活用して構築した、小売店舗向けアプリケーションのデモです。店舗内の顧客行動をデータとして取得し、分析・活用するだけでなく、顧客体験の向上にも役立てられるシステムです。

アパレルの店頭商品棚を模したウフルのデモ

アパレルの店頭商品棚を模したデモの様子。POP広告にはNFC方式の近距離無線通信タグが埋め込んであり、そこに消費者向け専用アプリを入れたスマートフォンを近づけると商品の情報を閲覧できます。

商品に見立てたピンク色のニットの奥にToF(Time of Flight)方式の光センサーが配置してあり、商品が棚から無くなるとそれをリアルタイムで検知し、ライトの点灯色を青から赤に切り替えて店員に視覚的に通知するとともに、店員が持つモバイル端末にもアラートとバックヤード在庫の情報を届ける仕組みです。

また、来店した消費者が専用アプリをインストールしたスマートフォンを店頭のPOP広告にかざすと、その商品の詳細情報、スタイリング、レビューをスマホ上で閲覧できる機能も組み込みました。来店した消費者にとっては、「店員と会話せずに商品を検討したい」「ネット上での評判や同年代の着こなしを参考にしたい」といったニーズが満たされ、顧客体験の向上につながります。

一方、店舗の運営者にとっては、消費者の店頭の広告への反応や、そこから誘導されたネット上でどういった情報に接触したかというオンライン・オフラインの両行動データを元に、いわゆるリマーケティングを展開できるようになります。たとえばその場で購入に至らずに店舗を離れた消費者に対して、数日後に割引クーポンを配信するなどで再来店・購入を後押しするような施策を打つことが可能です。

「小売事業者側は、本部と店舗をデータでつないで両者のギャップを無くし、店舗のオペレーションを効率化したり、オムニチャネルを含む効果と効率の高いマーケティングを実施したりできます。消費者側にも、欲しいと思った商品の店頭在庫がゼロということが無くなる上、店頭でアプリを介してスタイリングや商品レビューを参照でき、顧客体験が向上するメリットがあります」(ウフルの説明員)。

enebularとMbedで大規模展開を見据えたプロジェクト進行が可能に

このシステムにおいて、ArmのIoTデバイスプラットフォーム「Arm Mbed」は大きく2つの役割を果たしています。1つはIoTデバイス向け組み込みOS「Mbed OS」で、商品の店頭在庫状況を検出するセンサーの制御を担うウフルの開発ボード上で稼動しています。

もう1つはネットワーク経由でIoTデバイスを管理するクラウドサービス「Mbed Cloud」です。これにより、センサーを増設する際に不正なデバイスでないことを認証した上でシステムとのセキュアな通信を開通させる機能や、本部から遠隔地にある店舗に設置したデバイスのファームウェアを更新する機能を実現しています。

「Arm Mbedとenebularの組み合わせによって、センサーの種類や数、アルゴリズムの変更に柔軟に対応できます。さらに、エッジデバイス(ここではIoTゲートウェイ装置や末端のIoTデバイスを指す)にネットワーク経由でファームウェアをデプロイしたりアップデートしたりすることが可能です。これにより、コンセプト実証(PoC)の段階から大規模展開を見据えたプロジェクト進行を実現できます」(ウフルの説明員)。

今回のデモはアパレルの小売店舗を想定したアプリケーションの実装例でしたが、Arm Mbedとenebularを組み合わせるソリューション自体は、これにとどまらずさまざまな業界の多様なアプリケーションに活用が可能です。たとえば工場や倉庫における物品・資材の管理や作業者のオペレーション改善など、幅広く応用できます。

enebularの特徴とは?

Arm Mbedとの組み合わせで付加価値の高いIoTソリューションを提供するウフルのenebularとは、いったいどんなサービスなのでしょうか。今回Armパビリオン内に設けられたプレゼンテーション・ステージで同社ソリューションデザイン本部の船津浩司氏が「IoTのあいうえお―IoTで重要な5つのキーワード―」と題して講演し、その中でenebularについて紹介しました。(講演資料をPDFでダウンロード

船津氏の講演の様子

Armパビリオンの特設ステージで講演に立つウフル船津氏。大勢の来場者が足を止めて聴講してくださいました。

船津氏はenebularを「あらゆるデバイスとクラウドサービスを簡単に『つなぐ』、IoTオーケストレーション・サービス」と表現しています。IoT製品・サービスづくりを包括的に支援する開発・運用サービスであり、具体的には以下のような構成要素からなります。

  • 開発:エディタ、コンソール、コンポーネント、テストランナー、バージョン管理、コミュニティ

  • 運用:アクセス管理、アセット管理、デプロイ管理、ステータス管理、システム構成管理、ログ管理

  • アセット:ドライバ/プラグイン、ロジック/データフロー、可視化/コントローラ、機械学習モデル

enebularの特徴として船津氏はまず、Node-RED(ノードレッド)ベースのビジュアルプログラミング環境を挙げました。「クラウドとエッジ(IoTゲートウェイや末端のIoTデバイス)のデータの流れを、コードを記述すること無く、ビジュアル表現でデザインできます。そのためプログラマーでなくても開発に参画でき、IoTプロジェクトの関係者全員がそれぞれの課題を他者と共有しながら開発を進められます」(同氏)。

enebularのビジュアルプログラミング環境

enebularはグラフィカルなプログラミング環境を提供しており、「小学生でも簡単にIoTアプリを作成できる、そんな世界を目指しています」(船津氏)。出典:ウフル

さらに船津氏は、enebularのもう1つの特徴として、複数のエッジデバイスに対して遠隔からセキュアにソフトウェアをデプロイしたりアップデートしたりできることを挙げました。Arm Mbedテクノロジーを活用して実現している機能です。デバイスのステータスをenebular側から確認することも可能です。これにより、PoCを短期間で進めることができる上、大規模展開後の運用にもそのまま対応可能だとしています。

複数エッジ/クラウドへの遠隔デプロイを実現

複数エッジ/クラウドへの遠隔デプロイを実現可能です。出典:ウフル

このほかArmパビリオンでは、大型モニターにMbedパートナー各社のエグゼクティブが登場するビデオが放映されており、ウフルからは代表取締役社長 CEOの園田 崇氏が参加、同社がMbedを採用した背景や意義を語っていました。

ウフル代表取締役社長 CEOの園田 崇氏は、「IoTアプリケーションではデバイスに搭載されたソフトウェアを、高いセキュリティを確保しつつアップデートすることが極めて重要」と指摘し、「それにはMbed Cloudが必要です」と語っています。※画像をクリックで再生


お問い合わせ

ウフルのenebularおよび小売店舗向けアプリケーションについてさらに詳しくは、同社まで下記の連絡先よりお問い合わせください。

Arm Mbedについてさらに詳しくは、アーム株式会社 IoTサービスグループ プロダクトマーケティングまで、こちらのWebフォーム からお気軽に日本語でお問い合わせください。

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